「あたしがプレゼントした時計を真柴さんにあげたでしょ?」 「あげるわけないじゃん」 「じゃあ、何で彼女がその時計をつけてるの!?」 「似たやつでしょ。俺の時計はきちんと家にあるよ」 どうせ今を乗り切るためだけの嘘だ。だって確かにバンドに刻まれた文字を確認したんだから。 「それなら今から時計がきちんと家にあるか見に行く。なかったら言い訳は聞かないから」 「いいよ」 こうしてあたしは斗真のアパートに向かった。