「送っていくから一緒に」


「帰らない! あたしときちんと別れてから次の女に手を出しなさいよ!」



ここが職場ということも忘れて怒鳴った。そして、走ってエレベーターに乗り込もうとしたけどまた斗真の腕に捕まる。



「放してよ!」


「ごめん、やりすぎた。必要以上に真柴さんと話したのは謝る。だから落ち着いて」


「別れ話ならもうすんだし!」


「……なんで急に別れる話になるわけ?」



あたしが本気で別れると言っていることに気づいたのか、斗真の声が低くなる。