「はやく来てください」


「来てって、警備員の人いるんだよ!?」


強引に腕を引かれながらビルの前に進んでゆく。

近くまで来て、警備員をよく見ると、並んでいる警備員すべての瞳にERRORの文字が点滅していた。


「…何、したの!?」


「電源を落としました。3分後には自動的に再起動するので、急いでください」


「…うん」


ガラス扉の前に来ると、指紋認証なのか、パネルが扉に取りつけられていた。



「これも開けなきゃ―」


私が言い終える前にロボットはそれに手の平を翳し、壊してしまった。


「大丈夫なの…?こんなことして」


「大丈夫ではありません。器物破損です。見つかれば破棄されます。急いでください」




そう言う梓の表情に変化は見られない。
落ち着いているように見えるのではなく、心がないせいなのか。


私はその背に隠れながら、後をついて歩いた。