教会の中に広がる色とりどりのステンドグラスに描かれている神や女神達

入ってすぐ目に入るとても大きな真っ白なパイプオルガン

戸を閉め中に入った蛍は一直線にパイプオルガンの元へ歩いて行き鍵盤の上に束になって置いてあるだいぶ使い込まれているらしい痛んだ楽譜を手にとった

無雑作に鉛筆で書き込まれた音符を目で追いながら無意識に蛍はパイプオルガンを弾き始めた

静かな教会に響き渡る流れるような優しい曲

「蛍君のピアノはいつ聞いても心が穏やかになるね」

声に気づいた蛍は後ろを振り向いた