わたしはエコー写真を胸に抱いて泣いた。



赤ちゃん、ごめんなさい。


お母さんはあなたを産みたかったけど、産むことができなかったの・・・。


本当にごめんね・・・。


産むことができなくて、本当にごめんなさい・・・。


どうか天国で幸せに暮らしてね。


天国でお友達をたくさん作ってね。


あなたのために毎日お祈りするよ。


お母さんはあなたのことをずっと忘れないからね・・・。




わたしは天国に行った赤ちゃんに名前をつけることにした。


本当はかっちゃんと一緒に名前を考えたかったけれど・・・、


でもかっちゃんには結局相談できなかった。


もしもかっちゃんから、中絶した赤ちゃんに名前なんかつけなくていい、早く忘れろ、

そんなことを言われたとしたら・・・、


そう考えると怖かったのだ。




わたしは赤ちゃんに『美幸』という名前をつけた。


わたしの名前から『美』の字を取り、かっちゃんの名前である克之から『ゆき』という字取った。


ゆきは幸せという字にした。