ルイは近づいてくるその人へと、必死で手を伸ばす。 男はルイのその手を掴み、強く握り締めると、そのまま自分の身体の方へと引き寄せた。 軽くルイの身体を、顔を水に浸からない高さまで姫抱きで持ち上げた。 そして、ゆっくりと泉の底に足を付け、来た道を戻っていく。 助かったことで落ち着いたルイが見たのは、自分を見つめ安堵した笑みを浮かべたアデルだった。