「あ、ありません」

「…そうですか」


みんなにわからないくらいの、小さい笑みを浮かべる玲。

私は気づかれないように、表情を変えないよう必死に顔に力を入れる。





「では、プリントの一番上の応援歌から練習します。太鼓の音と一緒にやるから、全員立って…」


ざわざわ


玲の言葉に、白組全員が腰を上げる。



玲は団長の役目を、難なくこなしている。

みんなの前でも堂々としてるし…


私なんかずっとおろおろしてて、

全然副団っぽくないよ…


でも頑張らないとっ



私は応援歌の練習をする際、声を大きく出してみんなの手本になり、自分なりに頑張ってみた。

そのおかげかはわからないが、みんなが思ったよりも早く応援歌をマスターし、予定よりも早く終わった。













「じゃあね」

「また明日~」


放課後

応援団だけでの練習を終え、玲と帰宅する私。

時刻は夜の7時。

辺りはもう薄暗い…