初恋はレンタル彼氏

「今日はありがとうございました。夕飯もごちそうになっちゃって…」


玄関でサンダルを履き、見送ってくれている優さんと弟くんに頭を下げる私。




「いいのよ~また来てね♪」

「はい」


私はもう一度頭を下げて、玲の家を後にした。







「ごめんね。送ってもらっちゃって…」

「いいよ。夜遅いし」


今の時刻は10時過ぎ。

どちらかというと静かな住宅街に、私のサンダルのかかとの部分がコンクリートにカツカツと当たる音が響く…





「優さん…料理上手だね。毎日優さんがご飯作ってるの?」

「うん。姉貴が家事とか全部やってる」

「へえ~えらいね」

「親に家事と俺たちの面倒みてくれれば、小遣いやるって言われてるから、 大学行きながら遊んで…家事やっての繰り返しだよアイツは」

「でもえらいよー。優さんがある意味、玲たちのお母さんみたいなもんじゃない」

「だったらお前だってそうだろ」


思い出したように言う玲。




「あ、私は…」

「お前も家事やってんじゃん。タメなのに、しっかりしてると思うよ」

「そう…かな」

「うん。お前派手で目立つし…友達も多いし…最初はチャラいのかなって思ってたけど…」


は、派手は余計です!!