初恋はレンタル彼氏

「ね?」


愛梨はそう言って、食べ終わったお弁当箱をかばんにしまう。


私はお弁当を食べるのを忘れていたことに気付き、

慌ててかばんからお弁当を出した。




「次の選択授業…あたしパソコンの科目で、今日係なんだ。パソコン室の電気つけたり、パソコン立ち上げたりしなきゃなんないからもう行くね~」

「…うん」


愛梨は「じゃあね」と手を振り、走っていってしまった。


ひとり残された私は、口を無理矢理開けてぼそぼそとお弁当を食べる。




愛梨…

よくわかんないな…


結局…レンタル続けることになっちゃったし・・


「はあ…」


私は深いため息をつき、お弁当を半分以上残し、お弁当箱を閉じた。


次の選択授業。

私は美術を選択している。


勉強が苦手な私の、唯一得意な科目の美術。

いつもは心が晴れているのに…

今日はなんだか沈んでいた…





そして放課後


いつものように、かばんに荷物をつめていると…