初恋はレンタル彼氏

そっと…ドアの除き穴から、外を覗いてみる…


「!」

除き穴からは、漆原くんらしき男の人が見えた。

あの明るめで長めの茶色の髪は…間違いなく漆原くんだ…



カチャ

ガチャン


玄関のドアのチェーンを外し、鍵をゆっくり開ける。



キイ

そして、やや控えめにドアをあけた。



「よお」

「あ…ど、どうも…」


ドアの向こうには、制服姿の漆原くんが立ってた。


漆原くんを見たとたんに、昨日のことが鮮明によみがえり、急に恥ずかしくなってしまう…



「とりあえず…あ、あがって…」

「…うん。ひとり?」

「うん。うち母子家庭で、お母さん働いてるから、いつも帰ってくるの遅いんだ…」

「ふうん…」



漆原くんのこと、まともに見れないよ…


でも、なるべく普通にしなきゃっ




「狭いけど、良かった座ってね」

「…お邪魔します」