すると…リビングで弟くんとテレビを観ていた玲と目が合う。私はなんとなく、目をそらしてしまった。




「ねえ、莉緒ちゃん…ちょっと頼みたいことがあるから、私の部屋に来てくれる?」

「え、あ、はい」


私は優さんに連れられて、優さんの部屋にやってきた。

優さんがいるから、玲との微妙な距離が、周りに不自然に写らないような気がする…弟くんは、私と玲の微妙な距離を、絶対に気づいてないと思う…




「入って~」

「お邪魔します…」


案内されたのは、優さんの部屋。




「うわあ、広い~」


しかも、きれい!




「そんなことないよー」

「いえ、シックでカッコいいですね!」

「はは、ありがと♪そこに座ってね」

「はい」


テーブルの横を指差す優さん。

そこに腰を下ろすと、テーブルの上にはなにやらたくさんの細々とした道具が…



「優さんこれは…?」

「ああ、ネイル道具★」

「ネイル?」

「そう!私いま、ネイルの資格をとってるところなんだ!で、莉緒ちゃんさえよかったら、ネイルの練習されてもらえない?」

「ネイルの練習?私なんかでいいんですか!?」

「全然いいよーむしろやって欲しいな(笑)まだ全然うまくないけど、変にはならない自信はあるからさ(汗)」