「莉緒と漆原くんて、なんかぎこちなくない?」

「えっ!?」


バレてる!?




「なんか、うわべだけ付き合ってるって感じが、たまにするなんだよなあ」

「そ、そんなっ…」

「なんてね。そんなことないよね♪お互いに、まだ恥ずかしいだけなんだよね」

「あははは、そ、そうなんだよ」


あぶな…

なんとかごまかせたけど…


でも、一瞬…未夢に本当のことを話しそうになった。

というか、話してしまいたかった。


ひとりで悩んでるのもう限界だし…

誰かに聞いてもらいたかったのが現実。

でも、まだ勇気がない。


真実を未夢に話して、『そんな関係やめなよ』と言われるのが怖かった。

それを言われて、今の玲との関係をやめられる自分もいなかった。


それに愛梨のことも…




体育祭が終わったというのに…まだ愛梨は学校に姿を見せなかった。

どこか安心している自分がいる。


玲を独り占めできる…

そんなずるいことを考えていた。



「莉緒?」

「へ?」



気がつくと、私は美術室の前にいた。

未夢が私を不思議そうな顔で見ている。



いけない、いけない(汗)