彼氏、
という単語が希鷹の口から飛び出たことにも驚いたけど、少し拗ねたような言い分に、もっともっと驚いた。
お祭りの日。
一方的に見つけただけだと思って自分に嘲笑したこと。
昨日の電話を、気にしてくれていたこと。
それを話すのに、見たことないほど、真っ赤っかになる希鷹の頬っぺ。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるよ!
って、突っ込んでやりたいところだけど、ただ、嬉しくて。
どうしようもないほど、嬉しくて嬉しくて。
また、涙が、零れそうだ。
「希鷹の、バーッッッカ!!」
あたしの強がり。
「うん。はーあ。」
嬉しい、吐息。
あたしの手を包み込む、希鷹の手の温かさ。
目線を合わせてしゃがみこんでくれる優しさ。
汗びっしょりで、あたしを探してくれたこと。
すべてがすべて、嬉しくて。
泣きたいくらい、幸せだよ。
期待しても、いいの?