改札を出る時、 二つの手は離れた。 「コンビニ寄るか。」 「うん、」 急に夏の夜風に触れた手は 心もとなかった。 少しのお酒と沢山のつまみを買い、希鷹の家までを5分ほど歩く。 真っ白なアパートの前で、ここ、と立ち止まる。 希鷹が手馴れた様子で鍵を開ける。 「はい、どーぞ。」 「おじゃまし…」