ハスキーボイスで酔わせて



六時過ぎてもまだ空は明るい。


学校から少し離れた場所に車を止めて彩を待つ。

昔の俺だったら絶対こんなことしなかったのになぁ…。


「来た」


セーラー服姿でやってくる、一人の少女。

剣道部に所属している為、道着一式を背負いながらも、
満面の笑みを浮かべてこちらへ小走りで向かってくる。


「走ったら転ぶ…!」


そう呟いた矢先、案の定石につまづいて前のめりに転んだ彩。



「なーにやってんだ、お前は」