母親が話す言葉の意味がわからず、
私はつい頭を傾げた。
「春樹さんの会見、見てないだろうと思って録画しといたわよ」
その瞬間、私はきょとん顔のままその場に立ち尽くしてしまった。
「お母さん、醤油無くなっちゃったからスーパーに行ってくるわね。すぐ戻るわ」
にっこり笑って、まるで私に気を使うように母親はそのまま家を出た。
私は靴を脱ぎ捨て慌ててリビングへ駆け込む。
そしてテレビの電源を入れると、
録画されていたニュース番組を再生した。
パッと映った画面にはたくさんの報道陣に囲まれた春樹さんが映っている。
テロップには、
”橘春樹、熱愛報道について語る”
と書かれていた。


