ハスキーボイスで酔わせて


はい、お待ち!とカウンター席に運ばれたラーメンが届いても、
気づいてるのか気づいてないのか、春樹さんは俯いたまま手をつけようとしない。



「彩ちゃんには連絡を?」

「いや、まだしてねぇ」

「記事の事知ってるんですかね?」

「わからねぇ」

「大丈夫ですかね、彩ちゃん」

「…わからねぇ」



ズルズル〜って麺を啜りながら眈々と話す諏訪さんと春樹さんの間には、明らかに温度差がある。



「…で、仕事と女どっち取るんですか?」