ハスキーボイスで酔わせて



空はすっかり日が落ちて薄暗い。

風もひんやりと冷たい秋の風が吹いている。


私はブツブツと独り言を呟きながら帰り道を歩いていると、
いきなり背後からポンと背中を叩かれた。



「お疲れ様、メイドさんっ」


振り返った目線の先にいたのは、
文化祭の時にしつこくまとわりついてきた若い男性だった。




「今終わったの?これから帰るんでしょ?」

「いっ…」


私の肩をグッと掴む力に思わず顔が引き攣る。



「終わるまでずーっと待ってたんだよ。少し付き合ってよ」



顔を近づけてニヤニヤ笑う男性に冷や汗が垂れてきた。

間違いなく怪しいオーラを漂わせる相手に、
一気に恐怖が全身を包みこんだ。