「最近、土方さん忙しそうで、なかなか会えなかったから・・・・こうして二人で過ごせてすごい幸せです。」

すこし涙目で微笑む蝶。

ああ、こいつにいつのまにかこんなに寂しい思いをさせちまってたんだな。

そう思い俺は蝶をそっと抱きしめる。

「寂しい思いをさせちまってすまねえな。」

「いえ!私がその、わがままなだけですから・・・」

「それくらいでわがままって言うならいくらでもこれからかなえてやるよ。」

すると少し小さな泣き声が聞こえる。

「土方さんは優しすぎます。だから私はついつい甘えすぎちゃうんです・・・」

「ばあか。お前を甘やかすのもおれの特権だろ?それにお前は全然甘えてねえよ。もう少し甘えろ。」

そう言って抱きしめる腕に力を込める。

「・・・土方さんも、甘えてくださいね。」

すこしかすれた声でつぶやく蝶。

「ああ。だけど俺は十分にもう甘えてるんだがな。」

「そうは見えません!!」

「じゃあ、これからもっと甘えてやるよ。」

そう言って腕の中の小さな大切な存在にそっと口づける。

「なあ蝶?夜までここで紅葉をみねえか?月夜の紅葉も綺麗だとおもうんだが。」

「はい!そうですね。」

そう言って嬉しそうに微笑み頷く。

そして俺らは他愛もない話を交わす。