そして歩きながらふと考える。

俺のこの時々蝶に対する感情はなんなんだ?

「どうしましたか副長?なにやら難しい顔をされていますが。」

斉藤が不思議そうに尋ねてくる。

「いや、なんでもねえ。」

「そういえば、最近屯所の雰囲気が明るくなったと皆が言っております。」

「どうしてだ?」

「たぶん蝶のおかげではないかと。」

「ああ、なるほどな。」

あいつはいつでも笑っている。

だから周りを元気にする力があるのだろう。

「隊士の一部ではまるで犬みたいで癒されるというものもいます。」

珍しく斎藤が楽しそうに話す。

「犬、か。それを言ったら総司もそうじゃねえか。」

俺は苦笑いで答える。

犬みたいだからほっとけないのだろうか?

俺はふとそう考える。

すると一気に空気が変わる。

「副長。」

「ああ。わかっている。」

敵はざっと10人程度だろう。