そして次の朝早速沙織の部屋を訪ねる。

「沙織、すまねえ少しいいか?」

まだ早朝だが沙織は起きているだろうと思い声をかける。

するとすっと襖があく。

「どうしたの?こんな朝早くに。」

「ああ、少し相談してえことがあってな。」

「わかったわ。まず部屋に入って?」

そしてそのまま部屋に入る。

「それで?相談したいことって?」

「ああ。なあ、お前は蝶の両親に蝶を合わせることができるか?」

「蝶のご両親って・・・刹那様よね?」

「ああ。」

沙織は少し考える。

「実際には難しいかも・・・だけど、夢でなら・・・」

「夢で?」

「ええ。夢で実際に逢わせてあげることならできるわ。」

「でも朝起きたら忘れちまうんじゃねえか?」

すると沙織はふるふると顔を横に振る。

「いいえ。この夢は双方とも覚えているわ。だって、ただの夢じゃないもの。」

「ただの夢じゃない?」

「ええ。これは夢の道をつなぐ方法なの。夢であって夢じゃない。そんな空間で合わせてあげることならできるわ。」