「え…?」 姉さんは動きを止めて ゆっくりと向きを変えて振り替えった。 きれいな二重の目から白い頬に涙が零れている。 確かめるように指を目尻に触れさせて 自分が泣いていることをやっと自覚したらしい姉さんは すぐに涙を拭って引きつった笑顔をみせた。 「なんでもないのよ。」 姉さんはそういってから またゆっくりと深呼吸をした。 今度はいつもの笑顔だった。 「凛が起きてくれたからもう大丈夫よ。」 「…うん」 「今日はもう寝てなさい。」 「はい」 「おやすみ。」 「おやすみなさい」