松野 凛になってから今まで こんなことはなかったから、 マニュアルのように設定はないし、 対処の仕方も何をどうすればいいのかも もう分からない。 こんなことで これからやっていけるのかな、私。 急に脳を震わすくらいの 壮絶な不安に駆られた。 「え、松野さん…?」 頭が痛い。 段々大きくなる痛みに耐えられなくなって、とっさに手を頭にやる。 長い髪が指に絡まった。 視界がぼやける。 もう目を開けている気力もない。 瞼が落ちた。