そのあとクラスメート全員の自己紹介があって、顔と名前が一致した。
私の席は一番後ろの窓際の席。
1クラス40名。
1年生はA~Kまでの11クラス。
ここに来る前にそれだけの情報は母さんから教えてもらった。
姉さんの言ったとおり、
10年ほど前に校舎全体を建て替えたため
教室は予想以上に綺麗だった。
先生の話を記憶しながら
教室の窓から見える外の景色を眺めている。
「ねぇ、松野さん。」
「…え?」
突然声を掛けられて驚いた。
ボーっとしながら前を向くと
前の席に座っている茶髪の少女が
大きな黒い目でこっちを見ていた。
――平岡 まり。
「なんですか、平岡さん?」
「えっ!?…もう覚えてるの??」
「うん。」


