「初めまして。松野 凛といいます。」
高校生というのはこういう人間のことなんだ。
自己紹介をしながら、目の前の人間を観察。
自己紹介の内容は
元から頭の中に入っているようなので問題なし。
口からペラペラと言葉が出てくる。
気をつけるのは
程良い笑顔とはきはきした音量。
あとは周りの空気に合わせればいい。
「…学校というものは自分にとって初めての環境なので、とても楽しみです。
今日からよろしくお願いします。」
最後に頭を軽く下げる。
顔を上げるとクラスメート(また、新しい言葉)達が興味深そうに自分を見ているのに気がついた。
たくさんのクラスメートに視線を巡らせて
一通り顔を眺めてから指定された席に着く。
すべてプログラムどおり、完璧。