「先にライトを下ろすわよ」
 倫子は使えそうなものがないか、部屋を見回した。

「このカーテンを使おう」
 ジェームスは一つずつ丁寧にピンを外し、カーテンを持って来た。
 倫子は手早くカーテンをライトに結び、ゆっくりと暗闇に下ろした。

 ついに暗闇に光が灯された。

「何、これ?」

「どうした?」

「このカーテン、ちょっとしっかり持っていてくれる?」

 そうジェームスに言い残すと、倫子はカーテンを伝って、スルスルと下に下りていった。

「リンコ、気を付けて」
 慌ててジェームスは言った。

「大丈夫、ちゃんと下りたから」

 倫子はライトを手にし、辺りを見回した。


 そこは、倫子が思ったより、狭い空間だった。