「この部屋が、ちょうどあの空間の上になるわね」

 そこは、西洋のおもちゃが散乱した、子供部屋であった。

「女の子ね」
 倫子にはカーテンの模様から、すぐに分かった。

 この部屋の子供は、毎日がクリスマスのような飾り付けの中で、過ごしていたに違いない。

 天井にはチューリップのシャンデリア、そして子供用のベッドが一つ、部屋の真ん中に陣取っていた。

 布団の中央が窪んでいる。
 まるで、さっきまで子供が横たわっていたかような、形を作っていた。

 倫子はジェームスに目で合図を送ると、部屋の捜索を始めた。