何を言い出すのかと思えば、いきなり意味不明な君だけの世界の話だ。

 僕はまだ、その入り口に差し掛かり、扉を叩いたばかりだ。

 律子とは、幼稚園から小学生に掛けて、同じ学校を通った幼馴染みであった。

 こうして二人、帰り道に夕陽を眺めることは、ほとんど毎日だと言って、差し支えなかった。

「ケンジ君、キュウリはね、優しくしてやらないと、ポッキリと折れてしまうの」