「あー、よかったわ。
先生、心配しちゃった……」


白髪交じりの担任の先生は、ため息をついてから、メガネをクイッとあげた。


「さぁ、もう、お帰りなさい」


そっとあたしの肩を押す。


でも、もしかしたら、これは……。


チャンスかも!!


繭ちゃん達の誘いを断る口実になる。


そう思ったあたしは……。


「ごめんなさい」


繭ちゃん達に向かって、頭を下げた。