ヤンキー王子とラブレッスン②【完】

ムスッとした、無愛想な男の子と目が合った。


ボサボサの髪に、大きな黒縁メガネ。


ひとり離れて、不機嫌そうに、木に寄りかかっている。


あの人が……一輝くん?


首を傾げて考えていると……。


「こう……様……」


楓ちゃんの、心細そうな……ポツンと小さい声が聞こえた。


そこでいったん歩みを止めて……。


「おまえも、俺の大事なダチだ。
信頼してるぞ? 楓!!」


ガシガシッと楓ちゃんの頭を撫でてから、五十嵐くんはあたしに視線を向けた。


「基本的には、俺が、おまえのそばにいて守ってやる。
でも、それが難しいとき……。
心優、おまえ、こいつらを頼れ」


「えっ……。
でも……」