あたしが、ドキドキしてるの知って。


あたしが、五十嵐くんに会いたいのわかって。


わざと意地悪してるでしょ――っ!!


キィィ――ッとなりそうな心を押さえ、への字口でのんちゃんの背中の細いリボンを結び直す。


すると今度は、運転手の北澤さんが……。


「お嬢様……」


……と、のんちゃんを呼んだ。