焦る自分を叱りつけて、ふと時計に目をやる。 『っわ、やばいっ』 買ってもらったばっかりの新品のローファー。 傷一つなくて、ツヤツヤに光ってて。 でも、今の私にはそんな事を気にしている余裕なんて無かった。 がんっ ローファーのつま先を、地面へと二、三回打ち付けて、ふぅっと息を吐く。