今日は姫と一言も話さずに学校を終えた。

変な気分…。


俺はゆっくり家に向かって

あの狭い道を歩いていた。


すると前にとぼとぼ歩く寂しげな背中が見えた

「姫…どうし…?」


「先輩ね…好きな人がいるんだって。だから貰えないって…。」


姫は少し困った顔をこちらに見せた。


―――バッ…!!


俺は無理矢理、姫の持ってたチョコを取った。


「え…ちょっと何して…!あんた、チョコ嫌いじゃ…」


俺はチョコの箱を開けて中身を全部食べてやった。


「うまいよ…このチョコ!!」


「ちょっ…何…?」


「姫は頑張った…頑張ったよ…。」


俺はニカッといつものように笑った。

すると…


「……バカ。」


姫も笑顔でこっちを向いた。


やっぱりコイツは笑顔がすっげぇ可愛いと思う


「でもバカはどっちかな~!?」


「私でしょ!?分かってるわよ!!」


「えぇ…?」


今日はなんか素直だな…。


「バカ……でもありがとう。」


姫のこの笑顔が今までで見てきた中で一番輝いていた。