私は愛瑠を抱き締めた。
「ご…ごめんね…。姫…。」
「愛瑠は悪くない…怖かったの分かるから…。」
私はそっとささやいた。
そして愛瑠に笑いかけると彼女も笑顔になった
こうして私の長い長い1日が終わった。
―――キーンコンカーンコン
「はぁ…。終わったぁ!!」
あっ…!!
私は携帯の変化にいち早く気がついた。
「熊のストラップが無いーっ!!」
あれは王子が小さい時にくれた
大切な物なのにっ!!
「くっそぉ…探さなきゃ!!」
私は校舎をくまなく探す。
ゴミ箱の中…
教室の机の中…
体育倉庫…
トイレ…
歩いた所全部隅々まで探した…。
でも……
「無い……。」
どこに落としちゃったんだろう…
あの熊は大切な…
とっても大切な…
王子と約束した最後の思いでの物だったのに…


