私は愛瑠の隣で話をこっそり聞いていた。


「何?何でも聞いて♪*」


「じゃ、ぶっちゃけ聞いちゃいますよ!拓也先輩の好みのタイプは?」


「う~ん…清楚な人かな。」


「せっ…清楚!?」


「うん。派手な人は苦手なんだ。」


そ…それって…


「ストレートヘアでシンプルな服が似合う清純な人が好きだな~*」


私と真逆のタイプ!?さ…最悪!!


「ご…ごめん。私、用事思い出したから先に教室戻るわ…」


―――ダッ…!!


私は走り出した。


「姫っ…!!」


後ろから愛瑠の声がする。

でも振り返れなかった。


駄目だ…私、駄目だ…。

変わらなきゃ…先輩に嫌われちゃう…


―――ガラッ


私は教室のドアを思いっきり開けた。

そして、私の隣の席の王子を指差した。


「王子!」


「はぁ!?何だよ?」


「手伝って!!」


泣きそうな顔をこらえながら言った。