刃物は危ないと自分の身をもって2度も理解しているえわけで……。
逃げます。
「に、逃げないでっ!!」
逃げるが勝ち。
あれ? 負けるが勝ちだっけ?
あれ、多分新品だよね。
切れ味抜群じゃん。
もっと危ないわ。
「アンタさえ消えてくれれば、私は圭一君と結ばれるのっ!!」
いやいや無理だから。
「私が消えたからって、圭一の気持ちが貴女に向くわけじゃないですよっ」
走りながら叫んだ。
「うるさいっ!
その口黙らせてやる!!」
うー。
なんですかこのストーカー女はあぁ!!
怖いにもほどがありますよ!
がむしゃらに走っていて、前をよく見ていなかった。
それはもうお笑い番組のように、電柱に激突した。
そのまま尻もちをつく。
あーもう!
なんでこんなときにバカが出るかなぁっ!!
って、こんなこと考えてる場合じゃないし!

