「アレってなにさー」
「んー。
なんでもねぇ。
怪我がなかったならいいや」
櫂は八重歯をみせて笑った。
「同じ高校か……ちょっと不安になるわ……」
圭一は背中を丸めて縮こまる。
「大丈夫だって!
なんかあったら俺が頑張るからさ!」
櫂……それフォローになってないぞ。
何を頑張るんだ。
「お前は信用できない……」
「うわひでぇ!」
圭一の答えは正しいと思うぞ。 私は。
櫂の「頑張る」とか「なんとかする」は本当アテにならないもん。
「と、とりあえず、同じ高校ってことはわかったし。
青に危害が加えられた以上、こっちも黙ってるわけにはいかねぇ。
だろ?」
櫂が問うと、圭一は大きく頷いた。
「女だからって容赦しない。
……っぶくし!
ふぁ~。
寒!!」
……なんか圭一もアテにならないような気がしてきたわ。
どうしよ?

