「悪意がないならこちらも特定できない。
それに、あっちから何か仕掛けてこない限り、こちらからは何もできない」
私はふ~んと納得する。
確かに、先にこっちから手だしたらヤバいもんね。
「いっそのこと圭一がこいつと付き合えばいんじゃねぇ?」
櫂が椅子にグダっと座りながら言う。
「馬鹿かお前は。
俺は嫌だね」
圭一が心底嫌そうな顔をする。
「でもよ~。
こいつ、圭一の事好きなんだろ? たぶん。
それにストーカー気質もあるみたいだし。
周りの女根こそぎ消してくんじゃね?
ってことで、青にも危害が及ぶ可能性もないわけではないし……」
私をチラリと見る。
「自分の身くらい自分で護れるよ!
私、前よりも腕上がったから!」
私はどんと胸を張った。
「その言葉、どっかで聞いた様なきがすんなぁ~」
櫂は笑いながら私を指差した。
確かに、前にも言ったような……。
でも気にしなくていいか!
「とにかく!
私の事は心配しないで大丈夫だから!
相手は女でしょ?」
圭一は心配そうな顔をするが、私が圭一に向かって笑いかけると、
「何かヤバいことがあったら呼べよ」
と、頭をなでてくれた。

