「うぅ~。
うがーっ!!」
「ぅわ、ちょ、わぁぁぁー!!」
櫂はいきなり私を持ちあげたかと思うと、たぶん雪かきした後の雪の山に私を投げた。
「つっ、めた!」
口にも入ったし!
「アハハ!
お前のサイズにちょうどいいな!」
また熱でたらどうすんの!
「アホ! バカ!」
雪をわしづかみにし、櫂に投げつける。
私はすばやく雪山から抜け出し、ひるんでいる櫂にさらに雪を投げつけた。
「ぶふっ!」
「あーら櫂さん。
水も滴るいい男でも目指してるんですかぁ?」
「お前がやったんだろうが!」
笑いながら逃げる私と、追いかける櫂。
海に行った時みたいだ……。
あそこまではなってないけどね。
後日、また私が熱を出したのは言うまでもない。
「バカめ」
「……さーせん」

