「そこからのことは、あんまりよく覚えていないんだ」


大体のことを圭一に話した。


「けど、あの人格があそこで生まれたのは覚えてる。


それと……兄ちゃんが死んだことも……」


思い出したら、また涙があふれた。


圭一は、私を優しく抱きしめた。


「青の兄貴が死んだのは、お前のせいじゃない。

それに、大事な妹を護れたんだ。
本望だろ」


なんで、圭一はこんなに優しくできるんだろうか。





「……兄ちゃんっ……。

ごめん、なさ……。

ありがと、う」


とぎれとぎれで言えてなかったけど、やっと言えた。







久しぶりに、声を出して泣いた。



圭一の腕は、とても温かかった。