少しだけ雲から顔を出した月が、私と鈴を照らしている。 鈴は、しずかにしゃがんで私を抱きしめた。 私の肩にシミができる。 私は、静かに鈴の背中に手をまわした。 私にとっては大きくて、全部はまわらなかったけど。 何分ほどそうやっていただろうか。 そんなの知らない。 これで、鈴が少しでも楽になるのなら……。 ゆっくりと目をとじた。