結局、何もわからないまま鈴の退院の日が来た。 「よかったね」 私は小さい花束を鈴に渡した。 「まぁな。 ありがとう」 鈴は花束を受け取り、私の頭をくしゃくしゃとなでた。 しばらく激しい運動は禁止。 あたりまえだけどね。 みおちゃんは、つい昨日退院した。 もう長くないから家ですごすらしい。 まだ小さいのに……。 「っし、そんじゃ、夜桜に戻るか!」 「……うん!」 けど、それがみおちゃんの運命だったのだと開き直ってみる。 症状が改善することを願いながら。