[改良版]小学生と暴走族【夜桜】



なにも違和感のない、ただのベンチ。


しかし、そこに姉ちゃんがいるのだという。


「ねぇ、名前、なんていうの?」


「んー?
ゆうひ みお!」


拳を作って上にあげた。


みおちゃんかぁ……。


「ここにいるのは、みおちゃんのお姉さん?」


先ほどみおちゃんが指差した方向を今度は私が指さして聞く。


「んーん。
ねえちゃはね、いつもしとりなの」


みおちゃんが悲しそうに言う。


しかし、すぐにぱっと表情が明るくなる。


「だからね!
みおがいっぱいお話してあげるのっ!」





残念ながら、私は霊感とやらはもちあわせていない。


今みおちゃんが見てるのは……非科学的な、いわゆる【霊】ってことになるのかな……



私が見えてないだけかもしれないけどね。




その後、みおちゃんは何もないベンチに向かって色々と話をしていた。


私は、ただ話を合わせることしかできなかった。