「あ……圭一……」
ドアの前に圭一が立っていた。
私が起きるのを待ってたのだろうか。
よく見ると、圭一の頬に切り傷のようなものがあった。
すこし乾いて血が固まっている。
「これ……どうしたの?」
怪我を指さすと、圭一は驚いたような顔をした。
「お前……覚えていないのか……?」
「なにが……?」
もしかして、私がやったの?
それとも……
「あの……。
赤が……。
新しい人格が生まれたって言ってたのと関係あるのかも」
「は?」
「多分鈴が刺されたショックで……て、鈴はどうなったの!?」
鈴のことを思い出し、圭一に飛びついた。
「あ、あぁ。
幸いにも命に別状はないらしい。
入院は必要だがな」
「……よ、かったぁ……」
私は床に座り込んだ。

