「ぅ……ああああああ!!」
青はガラスの破片を振り回し始める。
それは近づいた圭一の頬をかすめた。
「……っ」
少しずつ圭一の頬から血がでてくる。
その血に気づいたのか、青は破片を振り回すのをピタリとやめた。
「ご……めん……なさ……」
ただ青の目からは涙が流れるだけ。
何をそんなに怯えているのか……。
ただ出来ることは、青を抱きしめてやることだけだった。
「ぁ……離して!!
私に触らないで!!
じゃないと……!!」
圭一は誰かに電話しているみたいだった。
「青を見つけた。
全員倉庫に戻るように伝えてくれ。
あぁ。ありがとう」
青の手から破片がカランと落ちた。
「なんで……?」
そして、青はゆっくりと目を閉じる。

