[改良版]小学生と暴走族【夜桜】




「ぅ……ああああああ!!」


青はガラスの破片を振り回し始める。


それは近づいた圭一の頬をかすめた。


「……っ」


少しずつ圭一の頬から血がでてくる。


その血に気づいたのか、青は破片を振り回すのをピタリとやめた。


「ご……めん……なさ……」


ただ青の目からは涙が流れるだけ。


何をそんなに怯えているのか……。


ただ出来ることは、青を抱きしめてやることだけだった。


「ぁ……離して!!
私に触らないで!!

じゃないと……!!」


圭一は誰かに電話しているみたいだった。


「青を見つけた。
全員倉庫に戻るように伝えてくれ。

あぁ。ありがとう」


青の手から破片がカランと落ちた。


「なんで……?」


そして、青はゆっくりと目を閉じる。