目が覚めると、硬い床の上に寝ていた。
ここ、どこだ?
「よぉ、起きたか」
急に後ろから声がした。
起き上がって振り返ると一人の男子がいた。
「ここど……こ?」
足元がふらつく。
バスで吊り革に捕まらずに立ってる感じだ。
「あんまり動くな。
薬の効果まだ切れてないと思うぞ?」
確かにそうかもしれない……。
私はおとなしく床に座った。
「それで……ここどこ?」
「たぶん……貂瘤の倉庫。
俺とお前は貂瘤の奴らに連れてこられたんだ」
なるほどねー。
「俺、真田 盟(サナダ メイ)。
女みたいな名前とか言うなよ」
「女の子みたい」
「おい。
……それで、お前の名前は?」

