ここで、圭一がいきなりこんなことを言いだした。
「青、なんか柔らかくなったな」
「……はい?」
太りましたか?
体型的にはまだ丸くはなってないと思うのですが……。
体重的にはどうかしらんけど。
「表情が増えた」
あぁ、そういうことね。
んでも、自分ではそんなに自覚ないんだけど。
「ここにきたばっかりのときは、無表情ばっかりだったからな。
櫂に飛び蹴りしたときは例外。
ここに来たおかげで青の表情が増えたのかと思うと、なんとなく嬉しい」
そう言って圭一は微笑んだ。
いきなりそういうこと言われるとむずがゆいな。
たぶん私の顔は少し赤くなってると思う。
けど、いわれてみれば確かにここに来て、笑うことが増えたような気がしなくもない。
「まぁ、少しは感謝してるよ?
私を受け入れてくれて。
仲間だと認めてくれて。
そして……一緒にいてくれて。
今までこんなことなかったよ。
わー。
改めて言うと恥ずいなぁ……」
顔、少しどころか絶対赤いと思う。
圭一の方を見てみると、ものすごく驚いた顔をしていた。
「なんで驚いてんの……」

