「やほー。
授業午前中だけだったー」
「おー。
来たかー」
ドアを開けて中にはいると、さっそく櫂が声をかけてきた。
櫂たちも学校帰りだったのか、夜桜にいるひとはほぼ全員制服だった。
「圭一は?」
圭一がいないことに気づいた。
いつもなら櫂がいるときに圭一もいるのに……。
「学校で補習くらってる。
本当は夏休み中にあったらしいが、特別に今日にしてもらったらしい。
ちょうど午前授業だったしな。
まったく……。
あいつの辞書には留年と言う言葉はないのか」
「ないと思うね。
というより、補習くらうとか……圭一ってバカなの?」
「少なくとも、俺よりはバカだぞ。
あいつ数学1点だったし」
い……一点!?
一体どうやったらそんな点数が……。
ある意味すごいと思うけど。
減点一つだったのか?

