暑い夏。
私は大嫌いだ。

蝉の鳴き声が響き渡って余計に私のイライラを大きくさせる。

それに…せっかくの夏休みなのに、頭の悪い私は毎年補習をくらっていた。

私は岡崎星菜(おかざき ほしな)。
ただ今、中学三年生。

受験のトンネルの中を歩いている。

海行ったりしたかったのにな…。

私はトボトボと重い足を引きずりながら帰った。

「ただいま…」
「お帰りー。星菜!」
「あっお母さん…。私、今年も補習だって」
「また?空太くんに教えてもらえば?」
「じゃ…行ってくる」

帰ってきたばっかりなのに、再び玄関の扉を押した。

空太は私の幼馴染。

家が隣なのだ。

小さい頃から一緒にいて、仲も良かった。