雨が降っていた。

洋上では雷が轟き、激しい雨が地を叩いているのではなく、静かに、降っていると感じさせないような優しい雨だった。

この地方は雨が多いことで有名らしい。

台風の通り道でもあるため、初夏から晩夏にかけては時々大量の雨が降り注ぐ。

傘も無意味なくらい激しい雨。

あたしが住んでいた街であれば、すぐにでも街の機能が停止しそうな雨だ。

それではなく、本当に静かに降っていた。


3日前から雨は降り続き、洗濯物も部屋に干したままだった。

若干の部屋干し臭が少し鼻をつく。

乾いてはいるのだが、やはり外に干したい。

溜め息が漏れた。


8月の終わり、特に何もすることがない。

以前言っていた西医体は、2回戦で負けた。

6年の先輩や、マネージャーの3年生はこれで引退であるため、幹部交代式では全員が泣いていた。

短い間だったが、それでもいろいろとお世話になった先輩ばかりだったので、あたしも少し涙がこぼれた。

二次会では一次会近くのカラオケで楽しく飲んだ。

それも、半月程前の話。


夕方に差し掛かっているのだが、止む気配は一向に見られない。

どうしようもない感じにまた溜め息が出てしまう。

前に買っていた小説をソファーで読みながら時間を潰していた。


本当に暇だ。


暇すぎるこのような日々が暫く続いている。

楽しみも読書程度しかない。

この3日間で10冊は読んだ。

それも、もう題材がなくなりそうだった。